【GEAR5.0】出張!「触るスイッチの製作in富山」 ~AT機器開発体験ワークショップを開催しました~
11月6日に「~そっと触れるだけで反応するセンサスイッチ~触るスイッチ※1」を製作する「支援技術(以下「AT・支援技術(AT)」)に関する機器の開発体験ワークショップ」を、富山高等専門学校本郷キャンパスにて開催しました。
【目的】
本イベントは、ATに関わる人財育成を目的とし、長野高専が参画するGEAR5.0※2プロジェクトの一環として、当事者・支援者・関係者が集まる協働の場作りを推進します。地域の関係者と連携して、ATに関するワークショップを開催し、様々なニーズの解決策につながる支援機器の製作を行います。
【開催概要】
イベント名 :出張!触るスイッチ編~AT機器開発体験ワークショップ~
開催日 :令和4年11月6日(日)13:00-16:00
会場名 :富山高等専門学校(本郷キャンパス)
参加者 :支援技術(AT)に関わる当事者・支援者・関係者など
製作物 :「触るスイッチ」(参加費無料)
主 催 :富山高等専門学校・長野工業高等専門学校
後 援 :富山県教育委員会・長野県教育委員会・長野県社会福祉協議会
今回は、長野高専の「触るスイッチ」を、富山高専でコラボワークショップとして開催しました。会場には、富山県内の特別支援学校の教員と関係者の参加者8組10名と長野高専・富山高専のGEAR5.0プロジェクトの参画教員とともに、富山高専の学生2名がサポート役となり進められました。参加者の方々は、完成したスイッチの反応を確認しながら、指先で触れる感覚を試していました。また、イベント後のアンケートでは、「製作が楽しかった」「貴重な体験ができた」「高専の取り組みや、技術の高さに驚いた」 など多くのコメントをいただきました。
触るスイッチの活用方法についても、「学習に使用したい」「iPadと連携して活用してみたい」「声や、音の出る機材に繋げて意思表示ができるようにしたい」と、様々な意見がありました。
長野高専では、AT機器の今後のワークショップも、地域のAT関係者のニーズに沿った、有意義なイベントを計画しています。
※1 触るスイッチ
「触るスイッチ」は、脊髄性筋萎縮症I型(SMA I型)のお子さん向けに数年前に作ったものをもっと広く困っている人に使ってもらいたくて、設計をし直して開発したものです。
SMAは、体幹や四肢の筋力低下、筋萎縮が進行する難病で、特にI型は生後6ヶ月までに発症するため、人工呼吸器が必要で基本的に全介助です。
でも、なにかコミュニティケーションが取れないかという相談を受けて、わずかに動く部位を使い、スイッチひとつで操作できるものを操作可能にするのが「触るスイッチ」です。
※2 GEAR5.0プロジェクト
GEAR5.0プロジェクトは、国立高専機構の「Society5.0未来技術人財」育成事業の「未来技術の社会実装教育の高度化」(GEAR5.0)における「介護・医工」分野において、「持続可能な地域医療・福祉を支えるeAT-HUB構想※3とAT技術者育成による共生社会の実現」をテーマとした事業であり、熊本高専を中核拠点校、長野高専他3校を協力校として令和2年度より開始をしている事業です。
プロジェクトHP
https://www.nagano-nct.ac.jp/research/gear5/
GEAR5.0プロジェクトについて
https://www.kosen-k.go.jp/Portals/0/gakumu/Society50_KOSEN_GEAR5.0.pdf
※3 eAT-HUB構想
従来の支援技術(AT)が対象としている心身機能の障がいに加えて、障がい者を取り巻く環境や社会をも対象にした、共生社会形成を支援することを目標とし、GEAR5.0プロジェクトの参加校を各ブロックのHUB校として設置し、全国高専のネットワークを通じて共生社会の形成を支援する構想。
富山高専にて「触るスイッチ」を説明
触るスイッチ